天気がよく、たまには着てやらないとなと意味もなくライトグレーのスーツを着てアルバイトに向かった。何年も前に100円ショップで買った黒い鞄には「ウルトラライトハイキング」の本をしのばせて。毎月、定期券を買うたびに、来月のこの日付になるころにはなにかいいことが起こっているかなと思いつづけていた。そういえばこのまえちょうど用があって昔お世話になった知人のお店を訪ねたのだけど、ちょうどランチあとでいったん店を閉めて家に帰ってしまったあとだった。しばしお店の入口に貼られたメニューの、変わらないなつかしい筆跡を眺めていた。