5.26.2015





























































































     2013   CHICHIBU




  
上板橋から東上線で寄居まで行き、そこから秩父鉄道で終点までいってみることにした。東上線は行き先がとぎれとぎれでなんども乗り継がなければならなかった。休日の朝は余計起きれないのでその日は最悪徹夜していようかとさえ思ったけど、なんとかたしか9時前ころに起きることが出来た。上板橋から下り始めた瞬間に非日常を感じた。このごろ非日常の重要性を認識しだしていた。なつかしの川越も過ぎなんとか寄居につく。そのまま切符を買わずに秩父鉄道のホームに行く。真っ黒い炭鉱用車両みたいなのが通り過ぎていく。そのまま飛び乗って行ってみたい衝動にかられた。立ち食い蕎麦屋に併設した待合室でジャムパンを買った。そこにいたおばあさん連中は、若い女性駅員に急行乗車券を買わされていた。そのご来た電車に乗ってより秩父へ向かっていく。乗客はほとんどいない。秩父はどこまでいっても平地で住宅が目に入る。奥多摩とはすこしちがう。影森という駅でおりて乗り継ぎを待つ間、ホームのはじにあった喫煙箱で一服する。左手には頂上を削り取られたピラミッドみたいな山が見える。駅長が「急行の乗車券はお持ちですか?」と...聞いてきて、200円払った。
しんとした静かなホームで木のベンチに座っていると、田舎で静かに生活を送るのも悪くないし、それが一番自分に向いてるんじゃないのかと思う。田舎の駅員、田舎の整備士、田舎の職員。ライン下りで名高い地も横目に、あてもなく終点の三峰口を目指してみる。そういえば秩父には友人の友人が住んでいて、そいつの実家は金持ちで旅館をやっているという話を思い出した。そいつは何年か前に夭折してしまい、俺は高円寺で一度会ったことがあるだけなのだけど、いいやつだった。友人はそいつの秩父の家によく遊びに行っていたから、こんな辺鄙なところまで時間をかけてきていたんだな。電車が来たので乗る。すこし田舎っぽくなってくる。地元の中学生が男女で数人乗り込んできて、「たかし、携帯買うの?」「あ~~、卒業かぁ~~」などしゃべっていた。こんなところにも子どもはたくさんいるんだな。三峰口について、いっそのことキセルして降りれないかなと、改札で切符をなくしたふりをしてみたが、そういう手口にはなれているらしいおじさんに、再三「ポケットとかしらべてみて」「影森に電話してみたけど、急行券は買ったけど乗車券は買ってないはずだって言ってるよ。駅員は嘘つかないからね」などと問い詰められて、うまくいくもんじゃないなと、700円くらい払ってなんとか改札を抜ける。おじさんはそこの地図や見どころなども教えてくれたけど、三峰神社にいくバスはすったもんだしているうちに行ってしまったし、そのごは2時間くらいこないから、またいつものごとく駅の沿線をうろついて写真などとって過ごした。奥多摩の時のように大きなトラックが横を通っていく山中の道をたよりなく歩く。バスで奥地までいけばキャンプ場や湖もあるみたいなのだけど。いつもうわっつらをかじってふらつくスタイルでそれはなさけない自分の生き方そのものな気がした。途中、秩父らしい神社をみつけ、急な石段を登ってみた。郵便局の前でおばさんがふたりしゃべっていた。壊れた浴槽にトタンがかぶせてあって、それがゴミ収集場になってるらしかった。灰色の美しい毛におおわれた猿も見かけた。物置の上で何かを食べていて、カメラを向けると逃げて行ってしまった。鳥や動物はその動作に敏感に反応し、けしてそれまで自然にふるまっていた姿を見せてはくれない。銃でもないのに。
そのあたりには荒川?という川が流れていて、老人ホームなどもあるようだった。お地蔵様が道沿いにならんでいる。強石地区というらしい。奥秩父と奥多摩は近いようだった。  道のカーブに大きなトラックが止まっているトイレがあって、その裏から山道に入っていけそうだったので行ってみた。東京電力かなにかが配線かなにかの拡張でそういう小道にわけいっているようだった。すこし柔らかな土の感触のなかきれいな流れをみたりして、岐路についた。あのおじさんにはなんぴとたりとも会うわけにはいかなかったので、隣駅まで歩くことにした。途中工事現場のおじさんに「この道行っても駅に行けますよね?」と聞いたりしながら。川をまたぐ橋の手前で健康ウォーキングしているおばさんとしばし並行してあるいた。なんとか駅に着いてトイレで用を足していると、陽気な駅長さんがだれかと話している声が聞こえて、でてみるとおよそその田舎のホームには似つかわしくないギャルが笑顔で歩いてくるのが見えた。田舎ではなにも秘密にできないし、どこへ行くのも、どう成長したのかもいつでもだれかに見守られている感じがした。 自分の車内にはだれもいなかったので靴を脱いであぐらをかいていた。結局休日も歩き回ってる。寄居につくと煙草とジャムパン以外なにもたべてなかったので、なにか食べようと思って駅周辺をさがしたのだけど、ちょっとリッチなレストランいがいライフがあるだけでなにもなく、そこにはいって寿司と温かい小うどんを食べた。客はほかにだれもいなかった。寿司はスーパーの寿司みたいだった。風が冷たかったのであたたかいうどんは身に染みた。感じのいい初老のおばさんに「~湖はここからちかいんですか?」など聞いてでた。そこからまた隣駅の玉淀駅までいってみた。駅そばの川のがけで子供が二人冒険ごっこを無邪気にしているのが対岸のきゅうな斜面にみえた。バーベキューの火をおこした跡が石の上にいくつもあった。帰路、大山からあるく方が家に近いことに気が付き、ねんごろな図書館のわきを通って帰った。

 




















































 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



































































5.19.2015
































































5.11.2015